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ドラクエの世界観の考察④ DQⅥ 幻の大地

前回の記事では「ドラゴンクエストⅤ」の世界観に触れました。

これまでの考察をまとめると、


■『ロトシリーズ』
・「主人公=勇者=正義」
「悪である魔王を討伐する」ことが最大テーマ

■『天空シリーズ』
・「主人公≠勇者≠正義」
「自分の生き方を選択する」ことが最大テーマ

ということになります(詳しくは前回までの記事をご覧ください)。


そして『天空シリーズ』第三弾となる「ドラクエⅥ」を学ぶと、上の図式がより鮮明になり、重要なメッセージが浮き彫りになります。

では、今回は『天空シリーズ』の最後を締めくくる「ドラクエⅥ」の世界観を、そのストーリーとともに考えていきましょう。


ドラクエⅥ ~幻の大地~

ドラクエ6
※便宜上「序盤・中盤・終盤」と、ストーリーを三つに分けて紹介していきます。

 

【ストーリー序盤】精神世界と現実世界

主人公・ハッサン・ミレーユがいきなり魔王ムドーと戦うところからスタートします。戦闘の結果、主人公たちは敗れ、魔王の怪しい霧に包まれてどこかへ飛ばされてしまいます。

その次の瞬間、主人公は山奥にあるライフコッドの村でベッドから転げ落ちていました。隣では妹のターニャが主人公を心配している。どうやら魔王ムドーとの決戦は主人公の夢だったようです。

主人公は村長からある依頼を受けます。それは、年に一度の祭りに必要な冠を取りに、シェーナの村まで行ってほしいというもの。その依頼を受け、シェーナの村に向かう主人公ですが、その途中で人を助けようとし、大地に開いた大きな穴に落っこちてしまいます。

落ちた先には別世界がありました。そして奇妙なことに、その世界の村人には自分が見えないらしく、話しかけても返事が返ってきません。その後、主人公は村のはずれにある不思議な井戸から元の世界に戻ることができました。そして聞くところによると、先ほどの別世界は「幻の大地」と言われる世界であることが判明しました。

そして村祭りの際、主人公は精霊から「魔王ムドーを倒すように」とのお告げを受けます。そのお告げを遂行しようと、主人公はレイドック城へ向かって一人旅立つのです。


レイドック城では魔王ムドーを倒すために兵隊を募集していました。主人公はこれに志願して兵の一員となり、任務を遂行していきます。その任務とは「暴れ馬を捕獲すること」。途中、入隊試験にいた大男が任務に協力してくれることになり仲間になります。男の名はハッサン。見事暴れ馬を捕獲し、なぜかなついてしまったその馬をハッサンは“ファルシオン”と命名します。

任務を果たした二人はレイドック王からその働きが買われ、ムドー討伐の任務を受けることになります。そしてその際の鍵となる“ラーの鏡”を探索する旅に出るのです。


旅の途中、二人は別世界の港町サンマリーノで謎の女に出会います。彼女の名はミレーユ。ミレーユの協力により、別世界の人からも自分たちの姿が見えるようになります。

その後、水の町といわれるアモールに向かい、水源の洞くつでラーの鏡があるという“水鏡の塔”のカギを手に入れます。その鍵で水鏡の塔に入る三人。そこで記憶喪失の少女に出会います。彼女の名はバーバラ。どうやら彼女もラーの鏡を探していたという。バーバラはそのまま主人公たちと行動を共にします。

ラーの鏡を手に入れた主人公たちは(元いた世界の)レイドック城へ向かいます。そしてレイドック王がラーの鏡を見ると突然苦しみだし、別世界の王妃に変わってしまいました。主人公たちはその王妃と共にムドーの城へ向かいます。

そして王妃を連れた主人公たちはムドーのもとにたどり着きます。そしてラーの鏡を使うと、今度はムドーが別世界のレイドック王に変わってしまったのです。ムドーは一体どこに行ったのか…?


王と王妃は先にレイドック城に戻りましたが、主人公たちが城に着くと 王も王妃もそこにはいません。そして主人公たちが別世界に向かうと、眠っていたはずの王と王妃は目覚めていました。

話を聞くと、どうやらレイドック王はムドーを倒しに出かけた際、怪しい霧に包まれ、元いた世界のムドーとなったといいます。そして研究者によって、驚くべき事実が判明します。元いた世界が「精神世界」、別世界が「現実世界」だというのです。「幻の大地」と言われていた世界こそ、現実の世界だったのです(元いた世界は「夢の中の世界」ということです)。

現実世界のムドー討伐を目指す途中で神官・チャモロを仲間にし、主人公たちは船を使ってムドーの城に向かいます。そして見事ムドー討伐に成功するのです。

その後、真の魔王・デスタムーアの存在を知ることになります。



【ストーリー中盤】自分探しの旅

その後、主人公は本当の自分を見つける旅(自分探しの旅)に出ます。ムドーを倒したことで、ダーマ神殿での転職が可能になります。

このストーリー中盤では、現在行くことのできる場所を自由に回り、各地域で起こった事件等を解決していく形でストーリーが進みます。最終的に4つの「伝説の武具」を集めることでこれが終了します。



【ストーリー終盤】狭間の世界へ

伝説の武具を手に入れた主人公は、天空人ゼニスの城に向かい、そこでデュランを倒します。そして洗脳されていた少年を救いました。その少年の名はテリー。ミレーユの実の弟でした。

テリーを仲間にした主人公たちは、やがてゼニス城で「デスタムーアの世界に行くためにはペガサスが必要である」ということを知ります。そしてゼニス城の井戸から天魔の塔へ向かい。その最上階にたどり着くと、なんとファルシオンとペガサスの石像が同化します。ファルシオンの本当の姿こそ、ベガサスだったのです。


ペガサスの力を取り戻したファルシオンによって、主人公たちは「狭間の世界」へ向かいます。その世界では誰もが無気力になり、全員HPが1になってしまいます。

狭間の世界の町の一つ「絶望の町」で、主人公たちはある防具職人に出会います。そこで「防具製作の道具を妻からもらってきてほしい」と頼まれた主人公は、ザクソンの村で職人の妻から道具を受け取ります。そして気力を取り戻した職人は最高の防具を作り主人公達に渡します。その後、主人公達は本来の力を取り戻すのです。

狭間の世界のもう一つの町である「欲望の町」では、人々は隠された大賢者の財宝を探し出すために日々争っていました。他の人間を殺してでも財宝を手に入れようとする人々の現状は実は魔物と金持ちのモーガンの仕業であることが判明。それを知った主人公たちは魔物を倒し、人々は争いを止めて生きることを決意しました。


その後「嘆きの牢獄」にたどり着いた主人公たち。そこでは近々、大賢者の処刑が行われることになっていました。主人公たちは大賢者を救出しますが、それは大賢者の弟でした。兄はどこへ行ったのか…?

デスタムーアの城への道を開くという真実のオーブを手に入れ、その城に向かった主人公たち、そこにある監獄では大賢者が精神の拷問を受けていました。弟の協力により、とりついていた魔物を倒し、主人公たちは大賢者の救出に成功します。

そして大賢者兄弟の力によってデスタムーア城が姿を現します。ついに最終決戦に挑み、主人公たちはデスタムーアを撃破するのです。


ストーリーがやや難しいですね。この「ドラクエⅥ」発売当時、私は小学5年生だったのですが、当然、当時はこんな複雑に入り組んだ世界・ストーリーをしっかり理解できるはずもなく、ただ目の前にいる敵を倒し、起きた事件を解決しながらプレイしていた覚えがあります。

小学生の発想らしく、一番かっこいいテリーを早く仲間にしたいという思いに駆られてゲームを進めていた記憶がありますね(笑)



「ドラクエⅥ」の考察


『ロトシリーズ』でストーリーの核となっていた「悪の討伐」は『天空シリーズ』第三弾では、完全に「自分探し旅」のきっかけに過ぎない存在になっています。

前回までの記事で触れたように、『ロトシリーズ』では「勇者である主人公が正義であり、悪の魔王を倒す」というストーリーとなっていました。

しかし、これまで見てきた『天空シリーズ』では「正義/悪の定義が明確になされない相対的世界の中で、自分はどのような生き方を選択するか」ということがテーマであり、全く世界観が違いましたね。


そしてその『天空シリーズ』第三弾となる「ドラクエⅥ」では、ストーリー前半で「今見ている世界が実は本当の世界ではない」ということが明らかになります。「今見ている世界は幻の世界であり、逆に幻の大地と言われていた世界こそが真実の世界だった」ということが明らかになり、その後「本当の自分探しの旅」が始まることになります。

このことから「ドラクエⅥ」は次のことの重要性を訴えているように感じます。

「今の自分の生活を見つめ直し、自分の生き方を再構築する」



今あなたが当たり前のように送っている生活は、ムドーのような誰かによって作り出された都合のいい世界になっていませんか?あなたの理想の世界は今の生活の延長線上にあるでしょうか?

今生活している世界があなたの望む真の世界であるとは限りません。そして今の生活に浸っているあなたは、本当の自分を見失っている可能性があります。

例えば、毎日ほぼ同じ時間の電車に乗り、一定の勉強や業務をこなす。その中で勉強や仕事が少なからず進化している実感はあるけれど、どうも自分の生活がこの状態のままでいいのかわからない…。そんなことに気付く瞬間はありませんか?

会社のような一定の枠の中で生活していては、一定の成果しか生まない可能性があります。自分が進化している実感があっても、多くの場合それはその枠の中で進化しているだけであり、全体を俯瞰してみれば枠に閉じこもり自分の進化の可能性をどんどん狭めていってしまっています。



『天空シリーズ』第三弾「ドラクエⅥ」は「既定の枠にとらわれずに世界を見つめ直し、本当の自分を再構築する」その重要性を示してくれているのではないでしょうか?

ダーマ神殿で主人公も転職できるようになったという事実からも、このことは間違いないでしょう。「主人公=勇者」という図式は前作の「ドラクエⅤ」ですでに崩壊しています。勇者である必要はありません。どんな職であろうと、自分らしい生き方を探すことが重要であると、ドラクエは私たちに教えてくれているのです。


そして『天空シリーズ』はこれで終わりですが、次作の「ドラクエⅦ」は、この『天空シリーズ』の世界観を最も知的な形で継承した作品となります。


P.S.
ちなみに、この『天空シリーズ』の時系列は「Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ」であることが公式で発表されています。Ⅵの数百年後がⅣ、Ⅳの数百年後がⅤです。

 

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